企業とつくる食育 〜授業づくりの現場から
第11回
孤食・個食をどのように指導するか
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千葉大学教育学部准教授
藤川大祐
(NPO法人企業教育研究会
理事長)
NO.30 2008.4
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食育が求められる理由に必ず挙げられるのが、孤食や個食が目立
つということである。孤食とは子どもが一人で食事をとることであり、個
食とは家族それぞれが異なるメニューの食事をとることである。食育は単に子ど
もに必要な栄養をとらせることだけを目指すのでなく、食を通して生活を精神的
にも豊かにすることを目指す。だから、孤食や個食ばかりにならず、ある程度の
頻度で家族が会話をしながら共通の料理を食べる機会を増やすようにすること
も、食育の課題である。
だが、孤食や個食を学校の授業の中でどのように扱うかということは、悩まし
い問題だ。一人で食事をとることが多い子どもに「家族と一緒に食事をすること
がよい」と教えるだけでは、かえって子どもを苦しめることになりかねない。孤食
や個食は子どもだけの努力で解決しうるものでなく、むしろ主に保護者の都合
や考え方によるものと考えるべきであろう。では、学校の授業では何ができるだ
ろうか。
私たちNPO法人企業教育研究会が日本マクドナルドやNHKエデュケーショ
ナルとともに開発、普及につとめているインターネット教材「食育の時間」では、
孤食や個食の問題を、他の人とともに食事をすることの楽しさに気付かせること
を目指し、「みんなで食べるとおいしいね」というテーマで扱っている。いつも一
人で食事をしている登場人物が友人の家に招かれて友人たちと楽しく食事をす
るエピソードをアニメで魅せ、一人の食事と他の人との食事とを比較して考えさ
せるようにしている。
毎日すべての食事を誰かとともにとることを目指すのは、非現実的であろう。
家庭の状況によっては、多くの食事が一人の食事になってしまうことはありう
る。そのことは前提とした上で、ときには他の人と一緒に食べるようつとめ、
楽しく食事ができるようにしようということである。
「みんなで食べるとおいしいね」の中では、他に「おもてなし」について考える
内容と、日本の年中行事を食事と関連づけて考える内容を入れた。
「おもてなし」という発想は、楽しい食事の場を設けるために重要なことであ
る。お客さんを招いて食事をする場合には、招くほうも招かれるほうもさまざま
な配慮をすることによって、食事の場はより楽しくなる。料理の選び方、清潔
で楽しい場づくり、楽しい会話等を子どもたちに考えてもらうことによって、自
分たちでも会食を催すことを促している。
また、年中行事は、食生活あるいは食文化と関連づけて考えるよい題材
である。特に、多くの人が集まるには、年中行事の機会は適している。
今のところ、私たちは以上のような内容を扱うことによって、孤食や個食に
ついての指導を行おうとしている。これからも子どもたちの実態をとらえつつ、
指導の内容をさらに改善していきたいと考えている。
本連載は今回で最終回となります。
これからも食育をはじめさまざまな授業づくりを
進めていきますので、注目していただければ幸
いです。
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