作文ABC
わたしは『だれでも書ける作文ワークシート』という教材集を出している。
この作文ワークシートという教材は名前はよく似ていても方法はずいぶん違ったものがある。粗く言って2タイプがある。1つは作文の技術的断片−指示語の使い方や句読点の打ち方−の訓練を中心とする方法。もう1つは子どもが興味・関心を持つ設定を工夫して、その設定の中で作文技術を体験的に磨いていく方法である。
たしは後者の方法論に立っている。全体を部分に分解して訓練する方法は理解教材の場合は有効だが、表現教材では不十分だと考えるからである。つまり作文では指示語の使い方や句読点の打ち方のような技術的断片をいくら積み上げても作文を書くという表現は上達しないからである。作文では作品づくりを体験させることが大事である。
そこでわたしの作ったワークシートには次のような仕掛けがしてある。
- 面白い文題を指示している…子どもが興味を持って作文を書きたくなるようなネタを文題として提示する。たとえば「手作り漢字説明文」や「朝起きたら外は…」などの文題で作品づくりへと誘う。
- 書き出し語を指示している…書き出しを与えることで以下に続く文章を誘導することができるからである。たとえば「一番好きな季節は○○です。なぜかというと〜」のような書き出しを与えている。
- 作文の規模を指示している…罫線の幅やマス目の数を制御することによって、少し頑張れば書くことができる規模を指示する。子どもの書く気の触発具合によって書くスペースの大きさを勘案する。
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以上の仕掛けは主な仕掛けである。これらの仕掛けが複合されると同時に、これ以外の細かな仕掛けも組み合わされて1枚のワークシートができている。1枚のワークシートで必ず1つの作文を書くようになっている。技術的断片はシートに埋め込まれている。
このような市販のワークシートを使うと、作文指導に不得手な指導者でも子どもたちに楽しく作文を書かせることができる。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるが、子どもたちは作文を何度も楽しむうちに少しずつ書く技術を向上させていく。子どもたちの書く作文を読みながら教師も少しずつ作文の書かせ方のコツをつかんでいく。
最初はワークシートをそのまま使って子どもたちに与える。できる限りそのまま授業をしてみるとよい。だんだん作文指導の勘所がわかってくると、自分なりのワークシートを使った作文の授業をつくることができるようになっていく。実際に、わたしの知っている若い先生はそうした順序で勉強をして少しずつ作文授業の腕をあげていっている。
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