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ゲーム研究最前線

道徳ゲーム

第12回 2002.3

2002年度、「学習ゲーム研究会(代表:上條晴夫)」の活動目標は二つある。一つは「日韓共同」による日本語学習ゲームの開発、もう一つは「道徳」で使うことが できるような道徳ゲームの研究・開発である。「日韓共同」は五月の連休を使って現場の 先生方、数名と釜山に行くことになっている。釜山で交流授業を行う。

 もう一つの「道徳」は「教材集」の制作を考えている。
 たとえば「ビンゴゲームで楽しく 『日本のよさ』 を考える」 授業がある。土田雄一著 『国際性を育てる道徳の授業』(明治図書・1998)である。

  1. 「外国人から見た日本のよいところ」を次の中から選んでビンゴゲームをする。
    「ア) 自然が美しい」
    「イ)やさしい」
    「ウ)貧しい人が少ない」
    「エ) 電車が時間通りにくる」
    「オ)電気製品が安い」
    「カ)戦争がない」
    「キ)歌舞伎・相撲などがすばらしい」
    「ク)食べ物がおいしい」
    「ケ)安全である」
    「コ)礼儀正しい」
    「サ)神社・寺などがすばらしい」
    「シ)働き者である」
  2. 選択肢の12個の中から9個を選んでビンゴのマスの中に書き込む。
  3. 一番真ん中に何を入れたかを理由つきで発表する。
  4. 「カナダ人」「ロシア人」「インドネシア人」がビデオで登場する。一人3つずつ日本のよいところを言っていく。ビンゴゲームをする。
  5. ビンゴをやっての感想を発表する。


  ビンゴゲームでは中央がポイントである。つまり 「中央に何を入れるか」が子どもの 「意思決定の場」になる。中央に入れたものが、「一番よいと考えているもの」であり、 四隅に入れたものが次によいと考えているものになる。ビンゴゲームの準備をすること が、同時に、日本のよいところを考え、順位づけ(ランキング)をしていることになる。
 つまり、たんなるビンゴ遊びではなく 「道徳ゲーム」 になるのである。  ところで、昨年暮れにウィリアム・J・クレイドラー/リサ・ファーロン著『対立が力に−グループづくりに生かせる体験学習のすすめ−』(みくに出版)が出版された。

 この本はプロジェクト・アドベンチャー(冒険教育)の本であるが、内容は道徳的な テーマを扱ったゲーム集である。構成的エンカウンターとよく似ている。この本で、特 に興味深いのは、様々なゲーム(アクティビィティー)を通して「対立」をきちんと学 べるという点である。 「対立」 を忌むべきものとして遠ざけるのではなく、「対立の解消の仕方」 を体験的に 学ぶことで 「対立から学ぶ」 視点を作り出している。広がる実践だろう。

過去の記事

■上條晴夫
教育ライター
山梨大学教育学部卒業。小学校教員生活を経て現職。教育研究団体「授業づくりネットワーク」代表。
著書に 「さんま大先生に学ぶ 子どもは笑わせるに限る」(フジテレビ出版)「子どもが熱中する作文指導20のネタ」(学事出版)など多数。
www.hanamaruworld.com