はなまるworldでは教育現場で役立つコンテンツを掲載しております。
無料ですのでどうぞお気軽にご登録下さい。
パスワード確認
登録内容の変更
よくあるご質問
お問い合わせ
サイトマップ
 

Live 報告

有害情報対策のためのネットワーク推進フォーラム
〜例えば、「ネットいじめ」。学校だけの問題ですか?〜

 

 

 

 

 

第24回 2007.2

 

最近クローズアップされているいじめの問題のかげには、今までにはなかったネットを介したトラブルが背景に見え隠れしています。また、携帯電話を通じて大人の知らないところで詐欺や脅迫といった深刻な被害にあっている現状や、こうしたネットの社会問題が中学生、小学生にまで及ぶ現状について実例と防止に取り組む実践が平成19年2月23日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて報告されました。200名の会場は参加者で満席、注目度満点の当フォーラムの様子をレポートします。

 

 

● 子どもたちを加害者にしない! 群馬県の取り組み


基調講演で講演した下田博次氏(群馬大学社会情報学部大学院研究科教授)は、子どもたちの携帯電話やインターネット利用問題に地域や保護者とともに積極的に取り組んでいる。中学生では当たり前のように知られている「学校裏サイト」とよばれるプロフィール掲示板(プロフ)。全国どんな地域でもだいたいの学校別に存在しているこのホームページは、子どもたちが自由に書き込み画像をリンクさせている。自己紹介を本名、クラス名、自分の顔、などの個人がわかる情報や風俗まがいのことばで挑発したり、授業中の画像がアップされたり、と無法状態である現状を報告。常識と非常識のはざまを揺れ動いている中学生くらいの世代では、安きに流される傾向が強く、またこうした新しい子ども文化として夢中になりがちだ。しかし、そこには他人になりすまして誹謗中傷が書き込まれたり、覚えのないうわさを立てられていじめにあう被害が後を立たない。下田氏は、携帯電話からの安易なアクセスがこのような無法状態を作っているとした。このような状況ではネット活用がモラルを保っていくことは難しく、子どもたちに判断力、自制力、責任力の3つがそろわなければ使わせるべきではないとした。そして、保護者がまずよく知って、学校や専門知識のあるインストラクターなどの協力のもと、正しい知識や危険性をしっかりと子どもに理解させ、遊び感覚で行っている行為が加害者になりえることを知らせていくことが大事だとした。

 

 

● 相談窓口に寄せられる声、フィルタリングソフトの活用を


 続くセッションでは分野を超えての現状報告があった。財団法人インターネット協会に寄せられた相談事例では、アップした顔写真と別の猥褻な写真を合成され、公開されたくなければ本人の写真を送れ、といった脅迫、身元をつきとめられストーカーにあった事件、ワンクリックで高額請求をされた中学生からの相談など、現実に起こっている生々しい状況が紹介された。また、親が感じている以上に子どもたちは隠れていろいろなサイトを見ていることもわかり、目の届かないところで危険にさらされている状況が明らかになった。当協会からはフィルタリングソフトの活用を呼びかけている。啓蒙のためにビデオのレンタルも始めている。

 

 

 また、メディアリテラシー教育の問題点として、藤川大祐千葉大学助教授からは学習の基礎となるクリティカルシンキング(批判的思考)が学校教育ではなかなかできないことも課題としてあげられた。そして、メディアの向こう側にいる人がわかるような教育がたいせつだとした。また、海外での進んだメディアリテラシー教育の一例として、スウェーデンの全教員への研修や、メディア教育スタッフによる出前授業、インターネットについての教育は低学年、中学年、高学年とこまかく学習できるようになっていることなどが報告された。

 

 

● 市町村レベルでの取り組み 携帯をもたせない「プロジェクトK」、地域のネットワークづくり


 また、地域ぐるみで情報社会と向き合い、被害者や犯罪を出さない取り組みをしている自治体からは、保護者にアンケートをとり、携帯電話を所持させない運動をしている石川県野々市町の取り組みや、教育委員会が中心となって立ち上がり、有害図書や有害サイトから子どもを守るために活動している秋田県の事例が紹介された。なかでも、携帯電話の所持率が下がった年には少年の不良行為による犯罪率も下がっているという報告は印象深かった。今後は学校が地域と連携し、それぞれの学校の様子にあった自分たちの生徒の顔を見ながらの教材づくりをしてほしいという。

 

 最後のパネルディスカッションでは、e-ネットキャラン*という保護者と教員向けにインターネットの安全安心利用のための講座が全国規模で行われていて、文部科学省やインターネット関連企業が積極的に活動を始めている内容が紹介された。携帯電話の普及にともない、利便性だけが先行しがちであるが、社会法人東京都小学校PTA協議会会長の新谷珠枝氏からは、何か調査をして報告を待っていては今困っている子どもたちには間に合わない、親の意識格差の問題も深刻であり、保護者の教育もふくめていますぐに活動していただきたいとした。

 

 今後子どもたちの間でも深刻な位置を占めるであろうネット文化。学校ももちろんのこと、企業や保護者が連携して子どもたちをサイバー犯罪やいじめ問題から守るために早急に取り組むべき問題だと強く感じた。それには、まず教師や親といった身近にいる大人たちが子どもたちの行動を把握し、なぜ危険なのか、なぜ問題なのかを説明できるよう知識と認識をもつことが大事だろう。

 

*e-ネットキャラバンhttp://www.fmmc.or.jp/e-netcaravan/


 

過去の記事

 

 

www.hanamaruworld.com